この場をお借りして、教師の力量をあげ、子どもの気持ちのわかる教師になるために、会報や総集会でも紹介した中から、雑誌『信濃教育』を除いた2冊の本を改めて紹介させていただきます。
1冊目は、人文書館から出されている平沢義郎著 『せんせぇ!なんなァ 呼んだだけな。』
この本は3年前に出版されましたが、著者の平沢先生は、35年前、私が下伊那の山間僻地校、平谷小学校で村費の講師をしていたときの教務主任です。今年82才になられますがお元気です。
当時、男性職員のうち、私のような独り者や平沢先生のような単身赴任者は、おばちゃんが作ってくださるご飯を、共同炊事場(共炊)で食べていました。夕食後、共炊勉強会と称して平沢先生の教育論をお聞きするのが面白くて、講師の私にとっては得がたい研修の場でもありました。
スチューデントファーストという言葉がありますが、平沢先生は「良いとされている教育方法の中にも,差別やいじめのもとになる落とし穴があるかもしれない」と言って、教師の自己満足で終わらない本物の教育、子ども中心の教育を、いつも子どもの姿を通して具体的に見せてくださいました。あののびやかで愉快なクラス、そして、共炊勉強会が蘇ったかのようなこの本は、いくつになっても学び続ける教師必読の書です。本屋さんに注文すれば入手できますので、ぜひお読みください。
2冊目は、ポプラ社から出されている小嶋陽太郎著 『ぼくのとなりにきみ』
この松本出身の若き作家の本には、弘法山や松本の中学校がモデルとなって登場してきます。主人公は中学生です。ある書評家が「多くの小嶋作品で、私が最も好きなキャラは、先生たちだ。本書でも、ゴリラのような顔をした角田先生という、ナイス大人が登場する。生徒たちによく目を配り、絶妙なタイミングで的確なアドバイスを繰り出す。もちろん想像でしかないのだが、角田先生にも、大いに悩んだ若き日があったからこそ、そして、それを自分が成長する糧にしてきたからこそ、生徒たちの気持ちに寄り添うことができるのだろう。」と書いていました。子どものためにより価値ある教師になろうとする私たちはもちろん、子どもたちや保護者にも読ませてあげたい本です。
松本市教育会に集う先生方が、自信と誇りと喜びをもって勤務し、子どもたちの仕合せだけでなく、ご自身の人生をも豊かなものにしていく、そのための一助となれる教育会でありたいと思います。
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