平成28年度松本市教育会長 横林和俊 (山辺中学校長)

 

 私たち松本市教育会は、明治17年、東筑摩郡内の120名あまりの教員が、「協同して教育上の学芸を研究し、郡内教育の興隆を図る」ために教育会を結成したのが始まりです。その後、東筑摩郡内の多くの町村が松本市に合併しましたが、その歴史を引き継ぎ、130年余と長い歴史を重ねる松本市教育会が多くの先輩達のご努力の積み重ねにより、脈々と歩みを重ねてきております。多くの教員が、職能向上のために、教師としての専門性を磨き、人格の向上に努めてまいりました。今年度も先輩が築き上げた歴史と伝統の上に、更なる発展への一年にしたいと思います。 

 

 

 

 さて、松本市の各学校では、教職員と児童生徒達が、笑顔の基、「学都松本」の伝統を受け継ぎ、発展させる事も視野に入れ、平成28年度の教育活動が順調にスタートしております。学校の中は、校庭で飛び回る子ども達の元気な声、部活動で汗をかいて鍛えている子ども達の姿で一杯です。

 

 

 

 昨今、学校教育に対する様々な問題が指摘されています。少子化はもちろんのこと、教職員の不祥事、いじめ問題とそれに起因する自殺や不登校、教職員の倫理観の低下など、先輩方が脈々と築いてこられた学校教育への信頼感が根底から覆されかねない状況が続いてきていました。その渦中に身を置く私たちは、問題の大きさ、重さにつぶされることなく、そんな中でも、理想を高く掲げ、自信を持って、この状況を克服していく必要があります。 

 

 

 

 信州教育は、人と人との繋がりこそが教育の原点であるとし、「教育は人なり」を掲げ、教師としての人間的成長・職能向上に力を注ぐとともに、児童生徒の人間としての自由を保障し、一個の人格として認めてまいりました。その伝統は脈々と受け継がれてきております。松本の教育の歩みを振り返ってみても、落第生学級、子守教育所、松本ろう学校など、とかく横に寄せられ、平等に教育を受ける機会を逸してきた子どもたちに、全県に先駆けて、教育を受けられる仕組み作りをしてきた歴史があります。本教育会もこの伝統のひとつの具体として、教職員の職能向上、地域の文化発展に寄与すべく、仲間を募り、研修・研究・啓発の営みを続けてきました。本年度も、教科等研究委員会、各種委員会、講演会、同好会活動 等、先生方の職能向上に帰するための事業、活動を計画しております。また、今年は、昨年度の反省を生かし、「あり方委員会」を立ち上げ、組織としての課題を明らかにし、新たな提案をしていこうと考えています。

 

 

 

 

 

 「夢と希望に輝く松本の子どもたち」の教育のために松本市教育会全会員の英知を結集していきましょう。